【訃報】美浦の偉大な職人・萩原清調教師が逝去。ダービー馬「ロジユニヴァース」など名馬を送り出した伯楽を悼む
UMARISEの読者の皆さん、こんにちは。
いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日は週末の競馬予想で盛り上がる前に、競馬界に走ったあまりにも突然で、そして悲しいニュースを皆さんと共有しなければなりません。
2026年5月20日、美浦所属の萩原清調教師が、病気のため67歳という若さで逝去されました。
今週末のオークス(GI)には、管理馬のドリームコアが出走を予定しており、まさにこれからというタイミングでの悲報。
本当に言葉を失う、早すぎるお別れとなってしまいました。
ドリームコアをはじめとする管理馬44頭は、21日付で大竹正博厩舎へと転厩することが発表されています。
大竹調教師といえば、開業前に萩原厩舎で助手を務めていた、いわば「直系の弟子」。
師匠が最後に魂を込めて仕上げたドリームコアのバトンを、弟子が受け取って大舞台へ挑む――。今週末のオークスは、全競馬ファンが特別な想いで目を離せない一戦になりましたね。
今回は、競馬界にあまりにも偉大な足跡を遺した萩原清調教師のこれまでの歩みと、彼が生み出した、私たちファンを熱狂させてくれた(そして時にお財布も救ってくれた)名馬たちを振り返り、その功績を称えたいと思います。
■ 職人肌の伯楽・萩原清調教師の経歴
萩原清調教師は1959年3月生まれ。調教助手を経て、1996年に調教師免許を取得し、同年10月に厩舎を開業しました。
メディアの前では寡黙で、まさに「職人気質」という言葉がぴったりの方でした。それは誰よりも馬を愛し、馬ファーストの精神を貫いていたからこそ。その卓越した相馬眼と調教技術で、数々の歴史的名馬をターフに送り出してきました。
これまでに彼が育て上げた、競馬史に輝く代表馬たちを紹介します。
① ロジユニヴァース(2009年 日本ダービー)
萩原調教師を語る上で、この馬を出さないわけにはいきません。
前走の皐月賞で単勝1.7倍の圧倒的支持を裏切る14着と大敗。「もうダービーは厳しいか…」と多くのファンが諦めかける中、萩原師は見事な調整で馬を完全に立て直しました。
そして迎えた第76回日本ダービー。どろんこの不良馬場をものともせず、横山典弘騎手を背に圧巻の逃げ切り勝ち! 萩原調教師に初のJRA・GIタイトル、そして競馬人最高の栄誉である「ダービー」の栄冠をもたらしました。あの劇的な復活劇は、今見ても鳥肌が立ちます。
② ルヴァンスレーヴ(2018年 チャンピオンズCなど)
はい、砂の怪物です。古馬を力でねじ伏せチャンピオンズカップを制覇。2018年のJRA賞最優秀ダートホースに輝きました。
地方の全日本2歳優駿やジャパンダートダービーも含め、当時のダート界を完全に「無双」した、萩原厩舎が誇る最強の重賞馬です。馬券的にお世話になった方も多いのではないでしょうか。
③ ノームコア(2019年 ヴィクトリアマイル、2020年 香港カップ)
芝のマイル〜中距離で爆速の走りを見せた名牝。2019年のヴィクトリアマイルでは、1分30秒5というタイム、驚異的な強さで、GI初制覇。
さらに2020年には香港カップを制し、萩原調教師に海外GIのタイトルもプレゼントしました。本当に強いお姉ちゃんでした。
④ ダノンキングリー(2021年 安田記念)
クラシック戦線でロジャーバローズやサートゥルナーリア達と、激闘を繰り広げた実力馬。前走の天皇賞(秋)で最下位(12着)に沈む大敗を喫しながらも、7ヶ月の休養を経て臨んだ安田記念で、なんとあの絶対女王グランアレグリアを撃破!
「前走大敗からの鮮やかな復活劇」という、萩原調教師の真骨頂である“立て直しの妙技”が再び光った、競馬ファンの胸を熱くさせた見事なGI制覇でした。
1996年の開業以来、JRA通算で数多くの勝ち星を積み上げ、ダービー馬をはじめとする数々の名馬を競馬界に送り出してくれた萩原清調教師。
「大敗からの大復活」を何度も演じてみせたその手腕は、データやパドックだけでは分からない、馬の力を信じ抜き、馬と会話を重ねてきた「本物の職人」にしかできない芸当でした。寡黙な男の、熱すぎる仕事っぷり。本当にかっこいい調教師でした。
今週末のオークス。萩原師の魂を引き継ぎ、大竹厩舎の所属として大舞台に挑むドリームコアの走りには、これまで以上に特別な想いが集まることになりそうです。
どうか天国から、彼女の激走を一緒に見守っていてください。
日本の競馬界を彩った偉大な伯楽、萩原清調教師のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。